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ProjectMeltDown

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Ver.White ACT6

ProjectMeltdown
瞳に映る惑星
Ver.White act-6



       鷹宮が青木と会っている。


鷹宮    じゃあ、全体としてお誕生会みたいのでいいのね。

青木    うん。区切りつけたいだけだから。

鷹宮    もう、明日かア。結婚の発表ねえ。なんですぐに連絡くれないわけ?

青木    気イ使ったんだよ。

鷹宮    ひどいわよね。できちゃった結婚なんて。

青木    誤解なんだよなあ。

鷹宮    まあいつかやるなとは思っていたけど。

青木    ひどいなあ。

鷹宮    しかし、最近はそういう遊びしていなさそうに見えたんだけどな。

青木    だから誤解なんだって言ってるじゃないか。

鷹宮    ふてぶてしいわね。

青木    君は図々しいよ。

鷹宮    じゃあ、早くいいわけしなさいよ。

青木    じゃあ、ちょっと待って。和馬くん、美穂さんちょっとこっち来て。

美穂    はああい。

鷹宮    何?なにすんの?

青木    寸劇。

鷹宮    そんな企画あったっけ?でしかも妊婦に負担かけてどうすんのよ。

青木    さっき練習してからボツにしたの。

和馬    MC和馬役者やります。

鷹宮    おい!

青木    三ヶ月前!


       青木、和馬、美穂の寸劇。
       青木が美穂をおぶっている。

青木    いやあ、風邪みたいなンで付き添わせてもらいました。

和馬    「父です」はっはっは。遅いのにすまんねえ。どうだね、一杯。

青木    よろしいんですか?

和馬    「父です」まあまあ。どうぞ。

美穂    「美穂です」あ~だる~い。

和馬    「父ッス」おかえり、父さんは店長さんと飲むぞ。

美穂    「美穂ッス」ただいまああたしも飲むー。

青木    やめといてって。

和馬    「しつこいようだが父でス」ちょっと飲んだらすぐに寝るんだぞ。

美穂    「御存知美穂です」やったあ飲み~飲み~。

       なんかテーブル囲んでいるあんばい。

青木    ちょっと大丈夫?

美穂    「みひょっす」だめら~よっちった~。

和馬    「父っす」がはははは。

青木    あ~。ふたりともこんな量で。お父さん、こっちですよ。

      美穂さん。こっち。とっとお。・・・翌朝。

和馬    ちゅんちゅんちゅんちゅん。ちちちち。

美穂    あ~あたま痛あ~。

      あたしなにしてんだあ。あ~れ~。どうやってパジャマ着替えたの?私。あ、手紙。

青木    「おはようみほさん。風邪の上泥酔は危険ですよ。今日はお仕事休んでもいいですよ。

      起きたら連絡ください。はーと。 青木」

和馬    でで~ん!

美穂    もしかしてもしかして私はとんでもないことを!そうかそうなんだわ。

      しらない間に私すごいことしちゃってた?きゃあきゃきゃきゃ大変。


       (一応ここまでが寸劇)


青木    あそこでハート書いたのが勘違いさせて。

美穂    はーい、美穂実はできてませんでした。

二人    で、普通に結婚。(青木と美穂)

和馬    というわけで、「できたかもしれない結婚」だったんですね。

青木    そうです。なんで無難に2月挙式です。ね。思い違いだったでしょ。

香織    あははは。小泉さん、あなたには勝てない一生。

和馬    そういうわけで、お二人に祝福の拍手を!

鷹宮    するか。

青木    和馬君てエンターテイナーだよね。

鷹宮    私の教育プランを台無しにするなあ。

青木    なんでもやらせなきゃ。

鷹宮    あなたは知らないのよ。この子がどれだけてのかかる子か。

和馬    先生授業を続けて下さい。

鷹宮    貴様ア!


       正樹が入ってくる。


正樹    こんにちわー。

和馬    ういー。

他     こんちわー。

正樹    明日、来ないとだめですか?

青木    どうしたの?

正樹    ええ、ちょっと友達に誘われてて。

青木    残念だなあ。友達も一緒に来れないかなあ。

正樹    ?無理ですね。

青木    しょうがないや。うん、当番でもないし。

正樹    すいません。

美穂    正樹君、明日来てくれないの?

正樹    すいません。急に。

美穂    なんかあったの?

正樹    へ?

美穂    正樹君、急な予定変更ってあんまりしないじゃない?

正樹    そうでもないですよ。ただ。

美穂    ただ?

正樹    ・・・居づらいかなと思って。分かりますよね。

美穂    でも、来てほしい。

正樹    すいません。

鷹宮    ほんとに予定なんかあるの?

正樹    ありますよ。

鷹宮    そう?なんかおかしいよ。

正樹    おかしくなんかありませんよ!

青木    正樹(!)

正樹    なんで、平気な顔していられるんですか?

      レイカさんはこの二人が一緒にいるのヤじゃないんですか?

      店長のこと思ってたんじゃないんですか?

      俺、和馬の側で平気でいられるかもよくわからない!

      喜代美のことがあるし。おれは邪魔ものなんですよ。いられるわけないじゃないですか。


       喜代美と香織が荷物を持って出てくる。


喜代美   正樹、なにブチ切れてるの?

青木    おかえり。買い出し御苦労さん。

正樹    いいよな。幸せでいるやつらは。

鷹宮    あのさ。口挟んじゃうけどいいかな。

      私はそりゃあ悔しいとは思うけど。本人の前でごちゃごちゃ言う趣味はないな。

正樹    かっこつけないでくださいよ!

      俺がどんなに変わっっても。結局何も残らないんですよ。

      思っても思っても全然愛されない。

鷹宮    哀しいな、少年。人生はかっこいいか悪いか。それだけでいいじゃない。

      割り切ればなんだって美しいのよ。ごちゃごちゃいうぐらいなら腹をくくるわ。

正樹    俺はそんなに開き直れない!だから色んな人と遊んでごまかすしかないじゃないか!

青木    わかったよ。好きにしなさい。

正樹    ・・・。

香織    ねえ。正樹どうしちゃったの?

正樹    香織ちゃんには関係ないよ。

香織    あるよ。関係ないならどうしてそこで叫んでるの?

正樹    俺の勝手だろ。

香織    正樹、このお店大好きなんだよね。お姉ちゃんとか店長とかコーヒーとか大好きなんだよね。

      相模大野にあるこのお店が大好きなんだよね。お姉ちゃん結婚したってなにも変わらないじゃない。

正樹    そういうことじゃないよ。

香織    正樹は何を愛していいかわからなくなってるんだよね。

      私、みててあげるから。見ててあげるからそんなに一人にならないで。

正樹    香織ちゃんにそこまでいわれたくない。

香織    私。正樹が好き。

      ぼろぼろでも、遊び人になっても・・・正樹が誰のことを好きでも、私は酸き。

正樹    そう。心配してくれてありがとう。


       正樹店を出ようとする。


美穂    待って。

正樹    はい?

美穂    答えてあげないの?

正樹    まだ、わからないです。

和馬    これ、持っていけよ。

正樹    え?

和馬    香織ちゃんが書いた詩。やるよ。

正樹    いらないよ。

和馬    読めって。

正樹    うん。


       正樹店を出る。


鷹宮    あいさつなしかあ。

喜代美   香織ちゃん詞なんか書いたの?

香織    え?いえ。全然。

喜代美   じゃあ何渡したの?

和馬    レイカさんがくれた紙。

鷹宮    え?あれかいな?

喜代美   何?


       正樹、ちょいと顔を出す。


正樹    香織ちゃん。ちょっと。

香織    あ。うん。


       正樹、姿を消す。香織店を出る。


喜代美   で、どんな詩?

鷹宮    コイツが書いた詩。

青木    え?僕?

美穂    どんな詩?

青木    片思いのうた。


       みな、徐々に店の外を見る。


喜代美   決まるかなあ。

和馬    イケるでしょう。

鷹宮    五分五分かな。

美穂    香織いがんばれえ。

喜代美   がんばれえ。


       女性3人、念を送ってるような妙なポーズ。


和馬    俺を信じろッテ。

喜代美   しかし、あんたは嘘つきね。

和馬    嘘も信じれば本当になる。


       女性。ガッツポーズ。


青木    瞳に映る惑星ね。


       曲が突然入る。曲に合わせてストロボが点灯している。
       5人の男女。
       まるで自己紹介でもするかのように、順次、ポーズをつける。
       それぞれ自分の恋愛の対象に強く視線を当てる。
       和馬と喜代美。青木と美穂。鷹宮が客席を見てる。
       正樹と香織が入ってくる。香織が正樹を見ていて、ちょっと遅れて正樹が見る。
       各自、一瞬の恥じらい。正面を向き、今度は微笑み。去る。 


『瞳に映る惑星』Ver.Whtie完

ProjectMeltdown
瞳に映る惑星
Ver.White act-6


原案 雷音寺 翔汰狼「Project"MeltDown"」「Planet In Your Eyes」
原作 毬宇斎 悟達「瞳に映る惑星」
小劇場公演のための戯曲「瞳に映る惑星」淵源座新訂(Ver.White)
2001年盛留真悟作品

"Planet In Your Eyes"Ver.White(C)MoridomeShingo2001,ALGI Products1996-2001
■この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは関係ありません。
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